「東京五輪後の日本経済」を読んだので、メモ。

東京五輪後の日本経済: 元日銀審議委員だから言える

現在、日本は景気は株高。このままずっとあげ続けてほしいけど、多くの人は東京五輪後に株は暴落するんじゃないかって言う。東京五輪後の日本はどうなってしまうのか不安になる。株は売ったほうがいいのかな。円は暴落するのかな。元日銀審査員の人の意見を聞きたくなったら読む本。

結論。為替は円高方向。不動産、株、国債価格は下がるリスク高いというのが自分の解釈。筆者の見立てでは異次元緩和の出口戦略は五輪"前"に始まる。官製相場の株と国債は注意が必要で、特に国債は暴落する可能性あり。こわいなー。

メモ

アベノミクスで株価はバブル?
  • そうでもない。PERは低め。
  • 3割は外人投資家。アベノミクスの金融政策に飛びついた。
  • 企業為替予想をみるとそろそろ円安は限界。
  • 官製相場。GPIFが36兆円日本株保有で日本最大。日銀15兆。日銀のetf買は2016年は6兆、一日700億。東証一部の1日の取引量は2兆程度。売り出すと市場インパクトはでかい。
で、異次元緩和効果あったの?
  • ない。
  • 円安、株高は達成。
  • でも、GDP成長率は下がり、賃金も下がった
  • 輸出物価は伸びたが、輸出数量は変わらなかった。企業努力で輸出物価伸びただけ。輸出企業は海外に工場移転してるため円安影響受けづらくなってる。
  • マイナス金利は日本で成功しなかったのは、現金多すぎるから。スウェーデンでは成功している。
なんで効果ないの?
  • 日本経済の歪んだ構造を考慮していなかった
  • 日本がデフレ脱出できないのは賃金へ影響されてないため。
  • 賃金上がらないのは、成長制約が大きいのでは
    • すき家の例: 賃金挙げてまで成長させたくない。成長させるほど経済よくならないという観測が経営者にある。
じゃあ、世界の景気はどんな感じ?
  • アメリカ経済は盤石とは言えない(財政問題、自動車ローン)
  • EUブレグジットの影響はそこまで大きくない。EUは巨大マーケットで影響なし。英国は法人減税など今までできなかったことできるようになるし、今後もシティは盤石。
  • 中国。企業の過剰債務問題。GDPの200%。財政出動による過剰生産問題あり。失業増えるので生産減らせない。資産流出問題。人民元をドルに変えたい人多い。中国政府は人民元をこれ以上下げたくないので買い支えてる。
日本の景気は?
  • 異次元緩和はオリンピックの前にくる
  • 国債価格は下落、金利は上がる
  • 日銀のバランスシート巨大化リスク
  • 株も、不動産もオリンピック前に下がる可能性高い。円は円高
    • インフレ→通貨安
    • 経常収支高→通貨高
  • 円の大暴落は起きない。多くの円と円資産は日本人が保有。日本人は円が好きだから売らない。

「異次元緩和に「出口」なし! 日銀危機に備えよ」を読んだのでメモ。

異次元緩和に「出口」なし! 日銀危機に備えよ (PHPビジネス新書)

伝説のトレーダーの藤巻さんがこう言ってるんだ。間違いない。危機に備えないとな。しらんけど。

とにかく日銀は国債買いすぎ。日銀が国債買いまくるとインフレが悪化して政府が倒れるのは、ドイツでも日本でも歴史が証明している。現状、日銀が出口戦略を行えば、国債は大暴落、財政ファイナンスしている政府の信用ガタ落ちで円も暴落、そして一気にハイパーインフレに向かうかもしれないぞ!と主張する藤巻さん。だから、たんまりドルを買っときましょうねって話。今後、円高続きそうだからドル買いのチャンスですねー。

メモ

日本の財政は危機的?
  • はい
  • 2016時点、日本の公的債務は名目gdp比232%。ギリシャですら200%。欧米諸国の、ダブルスコア以上。
なんで?
  • 日本はここ30年で名目GDPがたったの1.5倍(アメリカは4倍。中国75倍。)
  • なのに、日本の歳出は52兆から96兆と約2倍に。税収は57兆しかなく、4割の足りない分は国債で賄っている
だれが国債かってるの?
  • 日銀
  • この国債を日銀は銀行から買いまくってる。これによって市場にお金をばらまいている。金融緩和。
  • 2016年日本が発行した国債は150兆で、日銀の購入額は120兆。
  • 日銀のバランスシートはどんどん巨大に
金融緩和の出口戦略はあるの?日銀 vs 藤巻氏
  • 藤巻: 景気が高騰した時に市中金利を上げる方法あるのか
  • 日銀: 日銀は売りオペ or 当座預金金利あげて金利上げる。
  • 藤巻: 無理。まず、売りオペは国債の暴落招くから無理。また、当座預金金利あげるのも無理。金利あげると、日銀の支払い上がっていく。
    • 現在国債の利回り-支払い金利は一兆円。1%付利金利あげると2兆円のマイナス収支。2%だと5.4兆マイナス。
  • 日銀: 当座預金金利あげれば、長期金利上がるからだいじょぶ。
  • 藤巻: 長期金利上がったら国債価格暴落して日銀の評価損爆増。1パーセントで22兆円。
  • 日銀: 長期金利はそんなに上げさせない。
  • 藤巻: 今は爆買いしてるからコントロールできてるだけ。
  • 日銀: 評価損だしてても、保有国債の利回り上がるからだいじょぶ。
  • 藤巻: 評価損垂れ流しの中央銀行の信用は、だいじょぶなのか。また、長期金利上がっても満期までは低金利国債のままじゃないか。
  • 日銀: 準備率の引き上げで引き締めれば?
  • 藤巻: 銀行への負担大きすぎ。預金を無理して預けなきゃいけなくなるから。
国債
出口戦略の前に逃げ切らな。危険信号は?
  • CPI2%達成が危険信号。意外とすぐ来るかも。
    • 物価指数と為替は強い相関ある。
      • 円安ドル高 <-> CPU上げ
      • 円高ドル安 <-> CPU下げ
      • 円安、物価指数上げの流れになる
  • トランプの税制改革もドル高を押す。海外留保の利益がアメリカに戻ってくる。
  • 最近の雇用者不足もインフレを加速させる。
  • アメリMMFに資産を逃がすべし

ブラック・フラッグスを読んだ。メモ。

ブラック・フラッグス(上):「イスラム国」台頭の軌跡

イスラム国を作ったリーダーの話。イスラム国がいいとか悪いとかはわからない。ただ、この本を読むと、イスラム国の行動の理由が理解できるようになる。自爆テロのニュースを通して見ていたイスラム国への「はぁ?」な感じはなくなり、「あぁ。。」みたいな感じになる。一人のリーダーの人生を追っていくといろいろわかる。にんげんだもの

honzのレビューが素晴らしかった。

「9プリンシプルズ:加速する未来で勝ち残るために」を読んだ。メモ。

9プリンシプルズ:加速する未来で勝ち残るために

インターネットが出てきて、社会のルールは変わったと思う。将来の見通しを考えるときも、少しルール変更を考慮しないといけない。この本はルール変更後の社会をよく知った著者からのヒント集。ただ、残念ながら文面が難しくて細かいところまでは理解できなかった。とりあえず、理解できた大筋をまとめておく。

メモ

社会のゲームのルールは変わった

インターネットやデジタル化の登場でゲームのルールは大きく変化している。新ルールを表すキーワードは3つ。

どうサバイブしていくかは誰もわからない。無知を認めた生存戦略必要。

生存戦略の9つの指針

1.権威より創発
2.プッシュよりプル
  • 必要な時に必要な資源を集める
  • 弱い絆からクリエイティブは生まれる
  • 集中と広い視野のスイッチング重要
  • 広い視野で弱い絆をつくる、きっかけ見つける
3 地図よりコンパス
  • 変化の早い世界では地図は逆効果になりかねない
  • コンパスは行くべきところを示す
4 安全よりリスク
  • テクノロジーにより、あらゆるもののリスクが減った
  • やるか?やらないか?で迷えば、それはやるべきだ
5 従うより不服従
  • 科学者は全て従っていたらノーベル賞を取る人はいない
  • 上司の抑制も御構い無しに好きなものを作り続ける
  • 疑問を述べ、直感を信じ、ルールに従うのを拒否する
6 理論より実践
  • 変化が激しいので理論を学ぶコストが高く、即興で実行するほうがよい
7 能力より多様性
  • 成功した解決策と、解決者の専門の距離は正の相関がある。
8 強さより回復力
  • 完全に予想でき対応できるものは作り上げることはできない。それを認め、柔軟に対応できるシステムを作るべき。
9 モノよりシステム
  • ものがあふれ、"いいもの"という価値が薄れてきている
  • システム、サービスとして価値を提供すべき
  • 例: 車でなくてカーシェア、家じゃなくてairbnbiphone

より詳しい要約

2018年2,3月の投資収支報告

トータル収支

-3.7%

2月の米国利上げによる株安で大分損した。つらい。

ポートフォリオ

円とドルMMFを含めたポートフォリオ

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金融緩和後のインフレ、円安を見越して、ドルMMFの比率を上げている。

円とドルMMFを除いたポートフォリオ

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国内株が半分程度、先進国株、新興国株で半分ずつ。あとは金や国内REIT。国内株が比較的割安感あるので多め。債権はバブルな気がするので保有はほとんどなしで、キャッシュでリスク減らしている。

購入銘柄

塚口本に従い、国内株、金、国内REITを買いまし。VIXはやめて、米国国債ベアを購入。

  • <購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド
  • SPDRゴールド・シェア(New!)
  • <購入・換金手数料なし>ニッセイJリートインデックスファンド
  • 野村ブル・ベア セレクト7(米国国債4倍ベア7)(New!)

投資銘柄リスト

今後の方針

現在景気は夏で、秋にさしかかっているところ。 塚口本とおりに買えば、国内株、代替投資を買い増す時期。

しかし、黒田さんの総仕上げ発言で日銀の緩和の終わりが見えてきていることや、オリンピック後の株安リスクなどが気になる。

そこで、国内株に関しては、弱気にidecoの積立投資でのみで控えめに積立。 代替投資は、こちらも塚口さんの戦略に従い、国内REITと金を積立。

緩和後は国内債券価格の下落が予想されるので、VIXではなく日本国内債権ベアを買ってでリスクヘッジする。

世界第3位のヘッジファンドマネージャーに 日本の庶民でもできるお金の増やし方を訊いてみた。を呼んだのでメモ

世界第3位のヘッジファンドマネージャーに 日本の庶民でもできるお金の増やし方を訊いてみた。

今後の投資戦略の軸となる戦略を与えてくれた本。

内容としては、国内株式、外国株式、国内債券、外国債権、代替投資(国内REIT、金、VIX)の7銘柄で運用しましょう。米国金利で判断できる景気の動向に従って積立する資産クラスを変えましょう。結果、ポートフォリオが動的に組み替えられて最適化されていきますよというもの。

景気には四季があり、それは米国の短期金利長期金利、長短金利差の3つによって測れる。そして、その景気の四季によって積立の資産クラスを変えて積立しましょうというのが筆者の主張。

景気の四季の判断と、積立資産クラスは以下のようになる。

春: 景気はよくなっていき株価は上がる。

夏: 景気はいいが過熱気味。株はまだ上がる。

秋: 景気は減速。景気悪化が予想される。株価は下がる。

冬: 景気悪いが、ずっと悪くならない。株価は下がる。

現在の景気の四季は塚口直史さんのサイトで教えてくれる模様。ちなみに今(2018/03/08)は秋に差し掛かった夏の模様。国内株と代替投資に投資する時期ですね。

2030年ジャック・アタリの未来予測を読んだ。メモ。

2030年ジャック・アタリの未来予測 ―不確実な世の中をサバイブせよ!

目次

  • 第1章 憤懣が世界を覆い尽くす
  • 第2章 解説
  • 第3章 九九%が激怒する
  • 第4章 明るい未来

目次メモ

第1章 憤懣が世界を覆い尽くす

順調にみえる世界

向上し続ける生活水準/続伸する平均寿命/減少する極貧/コスト削減の推進/新たなコミュニケーション手段の普及/ 農業、教育、医療の分野におけるイノベーション/技術進歩によって減る苦役/企業組織の大変革/ 共有経済〔シェアリングエコノミー〕の発展/協働と利他主義の推進/強化される民主主義/ パクス・アメリカーナは健在/環境問題に対する意識の高まり/人類の団結/国際法の支配強化/暴力の減少 。一方、、、。

世界では多くの重要なことが、悲惨な状態になりつつある

高齢化する世界人口/医療サービスの乏しい地域での人口爆発/移民の恵まれない境遇/地球環境の悪化/ 気候変動が世界におよぼす悪影響/農業の暗い未来/低迷する経済成長/加速する富の偏在/ 貧困化する先進国の中産階級/はびこり続ける極貧/破綻寸前の教育システム/破綻寸前の医療システム/ 脆弱な国際金融システム/膨張し続け、制御不能に陥る公的債務/債務軽減の窮余の策:マイナス金利の適用/ 知的所有権の侵害/失われる報道の自由/民主主義の後退/国家を牛耳る大企業/吹き荒れる保護主義の嵐/ 超大国アメリカの危うい経済成長/不透明な中国の経済成長/政治力のないヨーロッパ/ 頭角を徐々に現すロシアやインド/能力不足の国際機関/社会と家族の崩壊/カルトと原理主義者の台頭/ 勢力を伸ばすカルト集団や犯罪組織などの非国家組織/地政学的戦略の混乱と暴力の再燃

第二章 解説

  1. 現在までのところ、政治と経済の自由に基づく社会組織は、世界で最も優れた制度だったことが明らかになった
  2. しかしながら今日、このシステムは機能不全であり、世界は奈落の底へ突き落とされる寸前である
    • 行き過ぎた市場主義。国、民主主義の影響力小さくなる。
  3. 今日、市場はグローバル化され、法の支配のない状態にある
  4. 国内に閉じこもる民主主義はますます空虚になり、民主主義が現実に対しておよぼす影響力は減る一方である
    • 大企業の影響力大きくなり、政治が大企業に支配される
  5. 袋小路に陥り、怒りが爆発する
  6. 自由を断念することなく.大惨事.を回避するための二つの解決策て
    • 市場が解決してくれると期待し続ける(ユートピア的世界)
    • 協調性のある社会の構築(利他性)

第三章 九九%が激怒する

世界をよりよい方向に向かわせる

今から二〇三〇年までに、経済成長と社会調和の源泉が変化するのはほぼ間違いない。二〇三〇年、多くの分野においてポジティブな変化があるが、、、

このままでは、世界は大混乱へと向かう

人口学的観点からみたマイナス傾向/ますます悪化する公害/気候変動による影響は深刻化/水資源の枯渇/ 悪化する食糧事情/移民の増加/イノベーション労働市場に衝撃をもたらす/富は集中し続ける

激怒の社会構造

不均衡の増幅/怒りを表す手段が増える

世界中で怒りが爆発

第四章 明るい未来

  • 自分自身に働きかける
  • 世界のために行動を起こす